裏アカウント調査は違法?
学生たちが就職活動中に使う裏アカウントに関するSNSの書き込みが、企業によってチェックされていることがあります。
このような調査が、厚生労働省が推奨しない「身元調査」に当たるかどうかが気になるところですね。
そこで、このような身元調査が違法となるのか、調べてみました。
今回のテーマ
裏アカウントの調査は違法になる?
もしかしたら、該当する可能性も!?
実は、この調査がすぐに身元調査に該当するわけではないようです。
しかし、調査の方法によっては該当する可能性があります。
厚生労働省のガイドラインでは、身元調査とは、出身地や家族の経済状況など、本人の意思では変えられない事項に基づいて採用判断をすることを指しています。
つまり、個人の能力や適性とは無関係な情報で判断すべきではないという考え方です。
1999年に職業安定法が改正されて以来、企業は個人情報を適切に扱う必要があります。
この法律に基づいて、厚生労働省は、企業が収集してはいけない個人情報のリストを提供しています。
ただし、本人の同意がある場合には例外もあります。
たとえば、保守派の政党員が革新派の支持者でないことを確認するなど、特殊なケースに限定されています。
でも、基本的に本人の同意があることは考えにくいため、SNSでの個人情報の取り扱いは厳重に注意すべきですね。
裏アカウントが特定された事例
企業は就活生の情報を意図的に集めようとはしていないかもしれませんが、SNSを調べる過程で意図せずにそのような情報に触れることがあります。
見てしまった情報が採否の判断に影響を与える場合、それは職業差別につながる身元調査と同じになりかねません。
実際に、偶然に敏感な情報を見てしまい、それが不採用の理由になることがあるかもしれないのです。
しかし、就活生がその理由を知ることは現状ではとても難しいのです。
企業は本来、そうした情報を不採用の理由にしてはいけないのに、実際にはそうしているケースもあります。
現在の法律や指針は、SNSの調査を想定しておらず、実態に追いついていないと言えます。
企業はSNS調査に基づいて不採用にした場合、理由を説明すべきですが、現実はそう簡単ではありません。
企業がSNSをチェックしているのか特定することはとても難しいので、調査が違法であったともしてもとても難しいでしょう。
外国での対応
アメリカでは、入社希望者の身辺調査が一般的ですが、日本とは異なり、主に犯罪歴や薬物使用などの情報が対象です。
日本でも、SNS調査が差別につながらないような工夫が必要です。
厚生労働省の指針によれば、企業は特定の個人情報を収集してはならないとされています。
ただし、特別な職業上の必要性がある場合は例外です。
このように、就職活動中の学生のプライバシーと企業の採用の自由のバランスを取ることが重要です。
特にSNSを通じた個人情報の取り扱いには慎重な対応が求められるでしょう。
まとめ
最後にまとめです。
- 背景: 学生たちが就職活動中に使用する裏アカウントに関するSNSの書き込みが、企業によって監視されているケースが存在します。
- 身元調査の可能性: このような調査が厚生労働省が望ましくないとする「身元調査」に当たるかは、調査の方法によって異なります。
- 例外の存在: 本人の同意がある場合、一部の情報収集は例外として認められる。
- 実際の問題: 企業がSNSを調査する過程で、意図せずに敏感な情報に接触し、それが採用判断に影響を与えることがある。
- 国際比較: アメリカでは入社希望者の身辺調査が一般的だが、日本でもSNS調査が差別につながらないような工夫が必要。
- 企業の責任: 企業はSNS調査に基づいて不採用にした場合、理由を説明する責任があるが、実際には難しい状況。
これらの理由から、かなりグレーゾーンでありながらも面接での不採用理由などを説明する義務などは存在しないので、
現状では、どの企業もやっているかもしれないと就活生の方々は思うべきかもしれません。
情報リテラシーに基づいて、SNSで全てのことをアップしていくのは辞めておくことが健全かもしれません。